マイナンバー制度について
・本稿は法令(法律や条例)等に関するものですが、その解釈はこのブログ(『自治体職員の勉強ブログ』)筆者である私の独自のものであったり、誤りが含まれている可能性があります。
・法令等は日々更新されるものです。本稿に記載される法令名や条文等が最新のものとは限りませんし、最新情報を漏れなく補っていくことはしません。
・以上はこのブログに関する免責事項ですが、このブログの元となる研修や書籍等に対して上記の責任を帰するものでもありません。しかし、本稿を参考にされる場合、ご自身で書籍や法令等を一度ご確認いただくことを推奨いたします。
・また、このブログに記載されている内容は、このブログの筆者が所属する地方公共団体及び関連するその他の団体の意見を何ら代表するものではありません。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
(✳︎)「マイナンバー」という呼称については、「マイホーム」や「マイカー」のように自主的に獲得するものではないということから、その「マイ○○」という呼称に対する否定的見解もあります。法令上は「個人番号」や「法人番号」と記載されますが、本稿ではひとまず「マイナンバー」と記載します。
マイナンバー制度の詳細について書けば複雑かつキリがないので、個人的に気になったところをピックアップして書いていきたいと思います。
ただその前に、マイナンバーについて簡単に書きます(ただし、説明については厳密性に欠けることを先にお詫びしておきます)。
マイナンバー(ここでは、法人番号を除く)は、日本に住所を有する国民(新生児含む)及び一定の外国人に対して配られる12桁の番号で、社会保障・税・災害対策分野及びこれらに類する事務で利用されるとされています。
◯住民基本台帳制度との違い、そして関係は?
マイナンバー ≒ 住民票コード?
情報提供ネットワークシステム ≒ 住民基本台帳ネットワークシステム?
という具合に。
マイナンバー制度は、住基制度と趣旨(情報の管理・連携)を同じにするが、対象範囲は異なる(住基制度は住民情報/マイナンバー制度は行政事務・手続情報)とされます。そのため、マイナンバー制度が導入されても住基制度は廃止されません(ちなみに、マイナンバーは住民票コードを基にして作られています)。ただし、住基カードはマイナンバーカードに今後置き換わっていきます。
◯マイナンバーの安全管理体制はどうなっているのか?
マイナンバー制度で話題になるのは、やはりその情報漏えい等々に関する安全性についてです。
もちろん、完全に安全である状況というのはありえないと思いますが、ひとまず、危険性についてではなく、どのような安全措置が行われるのかを確認したいと思います。
[制度面における保護措置]
- 番号法の規定によるものを除き、特定個人情報(マイナンバーをその内容に含む個人情報)の収集・保管、特定個人情報ファイルの作成を禁止
- 特定個人情報保護委員会による監視・監督
- 特定個人情報保護評価
- 罰則の強化
- マイポータルによる情報提供等記録の確認
- 個人情報を一元的に管理せずに、分散管理を実施
- 個人番号を直接用いず、符号を用いた情報連携を実施
- アクセス制御により、アクセスできる人の制限・管理を実施
- 通信の暗号化を実施
以上、内閣官房ホームページマイナンバー社会保障・税番号制度より(2016年1月1日アクセス)。
◯海外における番号制導入によるトラブル事例は?
海外に目を向ければ、マイナンバー制度に類似した制度というのは既に存在しています(ドイツ、アメリカ、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイスランド、エストニア、イギリス、イタリア、オランダ、ベルギー、ハンガリー、オーストリア、フランス、デンマーク、オーストラリア、カナダ、中国、インド、韓国、タイ、マレーシア、シンガポールetc.)。
海外の類似制度によるトラブル事例により、マイナンバー制度への反対というのが唱えられますが、有名どころでは、アメリカの社会保障番号(SSN : Social Security Number)制度や韓国の住民登録番号(PIN : Personal Identification Number)制度においては、実際なりすまし被害や個人情報流出は社会問題化しているようです。
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でした。