倉田哲郎(大阪府箕面市長)『大阪のことを不思議に思っている人たちへ~箕面市長からみた「橋下徹」と「維新の会」の実像』(2012)
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大阪のことを不思議に思っている人たちへ~箕面市長からみた「橋下徹」と「維新の会」の実像
- 作者: 倉田哲郎(大阪府箕面市長)
- 出版社/メーカー: リベルタス・クレオ
- 発売日: 2012/11/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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大阪の問題について、わかりやすく書かれている本(本記事の内容は概ね本書を元に書いています)。
【大阪市】
【大阪府】
1970年代の黒田了一知事の時代頃から、財政が大赤字化する。
【「大阪まんじゅう論」と「ふしあわせ」】
大阪府と大阪市の関係を「大阪まんじゅう論」と言うことがある(大阪市が“あんこ”で大阪府が“薄皮”)。これは、大阪市が政令指定都市(都道府県と同等の権限を持つ)であり、大阪府と大阪市が並列に存在していること、さらには、大阪市がベイエリアを含む都心部の、すなわち主要な(美味しい)行政権限を握っているのに対し、大阪府がそれ以外の周辺エリアの広域行政のみを行っていることに由来する。
(本書p.45より抜粋)
このように、大阪府の担う広域行政というのは限定的なのである。
さらには、大阪市は古くから、東京・京都と並び、国から特別な扱いを受けてきた歴史があり、それが次のような意識へと繋がっている。
(本書p.32より抜粋)
傍から見れば、市の権限が強大で、府と市の力関係は逆転している。大阪においては、府よりも市の方が「偉い」のである。さらには、大阪府と大阪市は仲が悪く、府と市が出くわすのは「ふしあわせ(府・市合わせ)」だとさえ言われていた。
【「大阪維新の会」と「大阪都構想」】
2011年11月の大阪市長選挙にあわせ橋下知事が辞任し、大阪府知事・大阪市長のダブル選挙に持ち込む。「大阪都構想」を「大阪都“妄想”」とし、府・市統合に反対する「中之島一家」との対立のもと、大阪維新の会の松井一郎氏が大阪府知事に橋下元知事が大阪市長に当選する(「大阪秋の陣」)。
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「なぜ知事が市長に出るのか?」(略)理解し難かったに違いない。
(本書p.60より抜粋、一部省略は筆者による)