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自治体職員の勉強ブログ

日々少しずつでも成長

法制執務研修②【一部改正等】

・本稿は法令(法律や条例)等に関するものですが、その解釈はこのブログ筆者である私の独自のものであったり、誤りが含まれている可能性があります。
・法令等は日々更新されるものです。本稿に記載される法令名や条文等が最新のものとは限りませんし、最新情報を漏れなく補っていくことはしません。
・以上はこのブログに関する免責事項ですが、このブログの元となる研修や書籍等に対して上記の責任を帰するものでもありません。しかし、本稿を参考にされる場合、ご自身で書籍や法令等を一度ご確認いただくことを推奨いたします。

前回の続きです。
これまで法令の表現について見てきました。これらはもちろん法令を「読む」時に重要です。しかし実は、法令を「作る」時にこそ、これらの知識は厳密さを求められ、より重要になるのではないかと思われます。ちなみに、法令には「新規制定」「一部改正」「全部改正」「廃止」「廃止制定」の5つがあるようです。後半の研修内容は、このうちで使用頻度の最も高い(?)「一部改正」法令(いわゆる、「○○法(条例)の一部を改正する法律(条例)」)を作る際に必要な知識に関するものでしたということで、次は「一部改正」について。

【一部改正の表現(5種類)】
一部改正の際に、改め文(正式には改正規定)」に用いられる表現です。

改める(条、項、号等の一部・全部)
→ある文字列等を新しい文字列等に置き換えること。

加える(条、項、号等の一部・全部)
→ある文字列等の後ろ(条・項・号を追加する場合は、前にとする場合もある。)に文字列を追加すること。

削る(条、項、号等の一部・全部)
→ある文字列等を条文からなくすこと。

とする(繰上げ、繰下げ)
→条、項、号等が加わったり、削られたりしたときに条名、項番号及び号名等を整えること。

付する(見出し、章名・節名等)
→見出し、章名・節名等を新たに付けること。

【条、項、号の改正の原則】
原則です。例外もあります。そして、ここにあげるのは重要だと思われるほんの一部で、ルールは他にもたくさんあります(汗)

①前にある条、項、号から順を追って、条文の流れに沿って行う。

②1つの条の改正については、1文で改正を行う。

③改正箇所は、「中」を用いて特定する。

④字句を引用する際は、1つの独立した意味をもつ字句を単位として引用する。

原則①〜④について、地方自治法の一部を改正する法律(平成24年法律第72号)の第100条第2項を見てみると、次のような改正が行われています。

    第100条第2項中「定が」を「定めが」に、「外」を「ほか」に、「前項」を「前項後段」に、「但し」を「ただし」に改め同条第3項中「第1項」を、「第1項後段」に、「禁錮(こ)」を「禁錮」に改め同条第14項中「調査研究」の下に「その他の活動」を加え、「政務調査費」を「政務活動費」に改め、「方法」の下に「並びに当該政務活動費を充てることができる経費の範囲」
加え同条第15項中政務調査費」を「政務活動費」に改め同項の次に次の1項を加える
    議長は、第14項中の政務活動費については、その使途の透明性の確保に努めるものとする。

まず、①の原則に従い、第100条の2項→3項→14項→15項の順に改正が行われている(実際は、1項→2項→…の順でも行われているが、改め文が分かれているので省略)。
次に、②の原則に従い、この第100条の改正については、頭の「第100条2項中…」から「…次の一項を加える。」までは、一文で済まされている。しかし、この条のように、新たな1項を加えるような場合、改め文例外的に2文以上になる。
そして、③の原則に従い、「中」を使って、改正箇所を特定している。
さらに、④の原則に従い、たとえば「政務調査費」から「政務活動費」への変更は字句としては「活動」の部分のみだが、「政務活動費」全体が引用されている。

⑤「、」は、その後ろの字句に従属している。

⑥削除方式(冒頭又は途中の条・号のみ)

この方式については、先の地方自治法の一部を改正する条例で次のように使われています(なお、ここでも原則②は崩れている)。

    第110条及び第111条を次のように改める
第110条及び第111条    削除